生前贈与と相続の基礎知識

相続で受け取った財産。預金や家などの名義変更、最初の一歩をやさしく解説

Tags: 相続, 名義変更, 財産, 預貯金, 不動産

相続手続きについて、基本的なことから知りたいとお考えでしょうか。亡くなった方が遺された財産を受け取るためには、いくつかの手続きが必要です。その中でも、財産を正式にご自身のものとするために大切なのが「名義変更」です。

「名義変更と聞くと難しそう」「何をどこに頼めばいいか分からない」と不安に感じていらっしゃる方もいるかもしれません。でも大丈夫です。名義変更は、財産の種類によって手続き先が異なりますが、一つずつ確認しながら進めていくことができます。このコラムでは、相続で受け取った主な財産の名義変更について、最初の一歩として知っておきたいことをやさしく解説します。

相続で名義変更が必要なのはなぜですか?

亡くなった方の名義になっている預貯金や不動産などを、相続した方がご自身の名義に変えるのが名義変更です。なぜ名義変更が必要なのでしょうか。

名義変更は、相続した財産を適切に管理し、ご自身のものとして活用するために欠かせない手続きなのです。

どんな財産の名義変更が必要になりますか?

相続で名義変更が必要になる主な財産には、以下のようなものがあります。

まずは、亡くなった方がどのような財産を持っていたのかを把握することが大切です。ご自宅にある通帳や権利証、証券会社の書類などを探してみましょう。「相続財産リスト」をまとめてみると、必要な手続きが整理しやすくなります。

名義変更の「最初の一歩」全体像

名義変更を始める前に、いくつか準備しておきたいことがあります。

  1. 相続財産を把握する 亡くなった方の預金通帳、不動産の権利証、株式の通知などを集め、どのような財産があるかを確認します。借金などのマイナスの財産も一緒に確認することが大切です。
  2. 誰が何を相続するか決める 遺言書がある場合は、基本的にその内容に従います。遺言書がない場合は、相続人全員で話し合い、「遺産分割協議書」を作成して、誰がどの財産を相続するかを決めます。
  3. 必要な書類を準備する 名義変更の手続きには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明書など、共通して必要になる書類が多くあります。これらの書類を先に集めておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。

これらの準備が整ったら、いよいよ財産ごとの名義変更手続きに進みます。

財産ごとの名義変更の最初の一歩

財産の種類によって、手続きを行う場所や必要な書類が異なります。ここでは、よくある財産について最初の一歩をご紹介します。

預貯金の名義変更(または解約)

不動産(土地・建物)の名義変更(相続登記)

株式の名義変更

自動車の名義変更

困ったときは誰に相談できますか?

名義変更の手続きは、一つ一つ確認しながら進めれば、決して不可能なことではありません。しかし、書類が多くて大変だと感じたり、手続きの方法が分からず困ったりすることもあるかもしれません。そんなときは、一人で抱え込まず、誰かに相談することが大切です。

ご自身だけで手続きを進めるのが難しいと感じたら、これらの専門家や窓口を頼ってみるのも良い方法です。費用はかかりますが、手続きをスムーズに進めることができます。

まとめ

相続で財産を受け取った後、預貯金や不動産などの名義変更は、財産を正式にご自身のものとするための大切なステップです。手続きは財産の種類によって異なりますが、

  1. まずは相続財産を把握する
  2. 誰が何を相続するか決める
  3. 必要な共通書類を準備する

という最初の一歩を踏み出し、その後、財産ごとの手続き先に問い合わせて確認しながら進めることができます。

書類集めや手続きに不安を感じることもあるかもしれませんが、法務局や金融機関の窓口、または司法書士などの専門家といった、相談できる場所があります。焦らず、一つずつ確認しながら進めていきましょう。

このコラムが、名義変更手続きの最初の一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。